静かな道、走らせたいクルマ、そして木々の間へと消えていく次のコーナー。それは、いつもとはまったく違う理由でシミュレーターに座りたくなる光景です。Assetto Corsa EVOのフリーロームの発表によって、そんな体験が手の届くところに近づきました。長く過ごしたくなる環境をつくる理由が、また一つ増えたのです。
レーシングドライバーであり、SIMGASMの創業者でもある私は、コックピットを設計するときと同じ問いを通して、この発表を見ています。ドライバーとクルマのつながりを、どうすればもっと自然に感じられるようにできるのか。一般道という舞台は、その問いに新たな視点を与えてくれます。ステアリングの位置、ペダルの安定性、快適なシート。そのすべてが、ドライブ全体を楽しむための要素になります。
10月7日のフリーローム発表で明らかになったこと
2026年10月7日、KUNOS Simulazioniと505 Gamesは、Assetto Corsa EVOのフリーロームを発表しました。舞台は、ドイツのアイフェル地方を1:1スケールで再現したエリアです。最初に走行できるエリアには、ノルドシュライフェ、近隣の村々、それらを結ぶ道路が含まれ、今後は段階的にエリアを追加する計画です。
変化する天候、昼夜のサイクル、状況に応じて変わるAI交通が、ルートに多彩な表情をもたらします。一人でもマルチプレイでも探索でき、任意で参加できるタイムアタックも、再び走りに戻るきっかけになります。その魅力は明快です。ニュルブルクリンク周辺の風景が、サーキットの外に広がる背景ではなく、実際に走れる場所になるのです。
どんなドライブにも、適切なドライビングポジションを
市販車を走らせるシミュレーターを考えるとき、私はまずシート、ステアリング、ペダルの位置関係から始めます。前へ手を伸ばしすぎずにステアリングを操作でき、ブレーキを踏んでも体が後ろに押し戻されず、集中を途切れさせずに操作系へ手足が届くことが大切です。
専用のアルミ製コックピットがあれば、これらの機器を所定の位置に固定できます。体に合わせて配置を調整し、走るたびに同じポジションに戻れます。新しいルートを探索する夜も、仲間と走るときも、サーキットレースに戻るときも、頼れる土台になります。
まずはシートから調整しましょう。次に、体がしっかり支えられた状態でペダルを最後まで踏み込めるように配置し、ステアリングを無理なく手が届く位置に合わせます。最後に、その運転姿勢に合わせて画面を配置します。VRを使う場合は、ヘッドセットを装着した状態でも操作系に無理なく手が届くか確認してください。
使用する機器に合わせてSIMGASMのコックピットを選ぶ
フリーロームを楽しむために、全員が同じシミュレーターを組む必要はありません。適切なシャーシは、ホイールベース、ペダル、設置スペース、そして今後どのように環境を発展させたいかによって変わります。SIMGASMの4つのコックピットシリーズには、それぞれ異なる出発点があります。
- Hobby: 初めての専用アルミ製シミュレーターに適した、導入しやすくコンパクトな出発点。
- Club: 日常的な走行と、機器を徐々に充実させていく環境に適した、バランスのよいプラットフォーム。
- Sport: ケーブル配線経路を組み込み、モーションシステムの導入に備えた、より本格的な構成のための土台。
- Pro: ラインアップの中で構造面の余裕を最も重視するドライバーに向けた、フラッグシップシャーシ。
製品ページの互換性情報を確認し、お使いのホイールベースの正確なモデルに合うマウントを選んでください。実際に使う周辺機器についても考えておきましょう。車両と機器が対応していれば、シフターは市販車を楽しむ環境の満足度を高めてくれます。無理なく手が届く位置に配置できるよう計画してください。
快適なシートも、最初から計画に
ホイールベースに目が向き、シート選びを後回しにしてしまうのはよくあることです。ただ、日常的に使いたくなるシミュレーターを目指すなら、私は両方を一緒に選びます。シートは、体と操作系の位置関係、そして走行中にどれだけ安定して体を支えられるかを左右するからです。
SIMGASM Core Reclineは、調整可能な背もたれで、市販車らしいドライビングポジションを細かく合わせられます。シムレーシングシートのラインアップから、構成に合ったシートのスタイルを選ぶこともできます。取り付け方法や必要なシートスライダーも、全体の構成の一部として検討してください。
没入感のあるEVO環境を組むなら、私が最初に検討するもの
本格的なシミュレーターを計画しているドライバーには、まずSIMGASM Sportを検討することをおすすめします。ケーブル配線経路がすっきりした設置を助け、モーションシステムの導入を見据えた構造が、計画の発展に合わせて拡張できる土台になります。
よりシンプルな構成でも、同じように楽しめます。一般道とサーキットを日常的に走るための専用シミュレーターが目標なら、Clubも検討する価値があります。機器に合ったフレームを選び、時間をかけてポジションを調整しましょう。そこから、自分だけの環境だと感じられるようになります。
モーションシステムを検討している場合は、そのシステムを前提に構成を決める前に、ゲームへの対応状況を確認してください。シャーシが担うのは物理的な土台です。アクチュエーター、電子機器、ソフトウェアの対応は、構成上の別の要素となります。
ディスプレイの配置やヘッドセットの準備については、Assetto Corsa EVOのVRコックピット設定ガイドもぜひ参考にしてください。
Sim Racing Expoでフリーロームを体験
初の一般向け試遊プレビューは、2026年10月16日から18日までフランクフルトで開催されるSim Racing Expoで予定されています。来場者は専用の試遊台でフリーロームを体験できます。この新モードでのドライブを計画する前に、実際の感触を確かめられる機会です。
走りたくなるシミュレーターをつくる
フリーロームの魅力は、ステアリングを握る理由がもう一つ増えることです。シミュレーターは、その気持ちにすぐ応えられるものでありたいものです。自然に感じられるポジション、必要な場所に固定された操作系、そして暮らしになじむ構成が、その鍵になります。
SIMGASMのラインアップを見て、各コックピットシリーズを比較し、次の構成の土台を選んでください。Hobbyから始める場合も、Clubを充実させる場合も、SportやProで計画を立てる場合も、座るのが楽しみになる場所にしましょう。
執筆:SIMGASM創業者 Johan Akkerman。基調講演の情報は、2026年10月8日にAssetto Corsaの公式発表と照合して確認しました。カバー画像:アイフェル地方の風景に着想を得た、AI生成による記事用イラスト。製品写真:SIMGASM。